日本史を学ぶなら「縄文」からがおススメ~第1回

日本史を学ぶなら「縄文」からがおススメ~第1回

歴史を学びたいという人が近年増えてきています。自らの生きている日本をもっと深く知りなおしたい、日本史を古来から学びなおしたい、先行きが不透明になる現在だからこそ沸き起こる未知への希求かもしれません。

ただ、歴史を学びなおす時に往々にして弥生時代から始める方が多いようです。
教科書にも巷の歴史書でも日本の通史は確かに弥生時代辺りから始まります。それ以前は史実がないからで、敢えて分類すれば考古学になってしまうからかもしれません。しかし弥生時代以降はたかが2300年、それ以前の縄文時代は10000年間あります。時間の長さだけでなく、戦争の歴史がなく、高度な共同体社会を既に作り上げていた縄文時代に日本人の基層があるのではないでしょうか。

弥生時代に渡来人が稲作を伝え、奈良時代以降国家として律令制を始め中央集権体制を取り、平安時代には公家社会が醸成し、鎌倉時代では武家が登場した・・・というのは単に社会統合側の歴史の変化に過ぎません。その間、それらの国家体制に影響は受けながらも柳のようにかわし、脈脈と現在まで続いてきた縄文人の本質(庶民の体制)というものが確実にあるのではないでしょうか?

 

そう考えると、歴史を学ぶと言うのは変化ではなく変わらない本質を見て行く事ではないか、そういう視点を提起したいと思います。例えばいくつか縄文由来の日本人の特徴を上げてみてそれらが現在にどのように繋がっているかイメージしてみてはどうでしょうか。

1.日本語は縄文由来

2.漁労民、海洋民としての縄文人

3.受け入れ体質と工夫思考

4.自然肯定の民

5.共同体社会としての日本人

当ブログでこれらをテーマに順番に過去のるいネット投稿や当ブログでの有効な記事を紹介し、学ぶきっかけとしていきたいと思います。

 1.日本語は縄文由来
日本語は言語学的にも独立言語でありほぼ人類最古の方の言語に類する。
この日本語がほぼ一貫して変わることなく縄文ー弥生―現在へと引き継がれてきた。
母音を言語脳(左脳)で聞き分ける日本語は擬態語(ザーザー、しとしと等)が多い。そして日本語以外のほとんどの地域の言語が音声を左脳と右脳で使い分けるのに対して全ての音を左脳でとりいれる日本人は特徴的でもあり、それ故に自然の音を細かく聴き分けることができる。これが日本人特有の同化能力の基盤となり、自然に向けた同化能力を使って、現在でも人や社会に視座を向けることが可能な民族として存在している。

★自然の音を左脳で取り入れる日本人、その特徴を明らかにしたのが角田教授である。
やっぱり、『日本語』はすごい言語のようです。

★日本語研究は進んでいるが、結局今判っているのは日本語はどの系統にも属さない独立言語であるという事のようだ。アルタイ語起源説やタミル語起源説、朝鮮古語起源説などがあるが、部分的に類似しているというだけで母音言語であり膠着語である日本語を定義つけるとしたら人類古語が起源であり、それを今も脈々と残しているのは日本と世界中の辺境の小部族だけという事になる。学説で解明できないのは日本語がどこからの由来かという視点で見ているからなのだろう。

日本語の起源研究の状況
日本語の起源をアルタイ語とするのは誤りではないか?

★日本語がなぜすばらしい言語なのか 黒川伊保子氏の著書を読めばストレートに伝わってくる。
黒川氏が語る日本語の特徴を要約すると以下のようになる。

① 日本語を含めて「言語」には、共認機能や観念機能の構造との密接な関係があるはずで、これを追求することには、大きな可能性があると思われる。発音体感と対象(実態)の一致は、日本語に顕著であり、日本語こそが「始原の言語」、太古よりこの土地で育まれた言語であると述べられている。

  母音語の使い手は、自然とも融和する。
母音を言語脳で聴き取り、身体感覚に結び付けている日本人は、母音と音響波形の似ている自然音もまた言語脳で聴き取っている。いわば自然は、私たちの脳に”語りかけて”くるのである。

 何千年も続く、豊かな自然が、私たちに、融和する母音語をもたらした。
一方で、融和して共存する日本人の特性は、日本語という母音言語がもたらしているとも考えられる。なぜなら、DNA上日本人とまったく無関係でも、日本語を母語として育つと、母音を左脳で聞くようになることが確認されているからだ。環境は言語を作り、言語は人を作るのである。

④ 子音言語に比べ圧倒的に長い歴史を持つのが母音言語で、その原型を現在まで引き継いでいるのが日本語と言えるかもしれない。自然に同化し、調和する日本語とはこれからの共認時代に相応しい、時を得た言語なのではないだろうか。

黒川氏の著書の記事を集約しています。参考に一読いただければと思います。
始原の言語・日本語の可能性~むすび